INDEX
Ⅰ工法開発とは
製品開発部門やデザイナーが企画した製品を、どのような手段(工法)で製造するかを検討するプロセスです。
工法開発では製品を実現・成立させるだけでなく、その作り方によって、生産量(量産性)や製造コスト、品質が左右されるため、最適な工法を選択し、モノづくりに適合させることが重要です。
コラム
工法開発東京五輪の聖火トーチはどのように作られているか
右の写真は、東京オリンピック・パラリンピックの聖火トーチである。桜をモチーフとした美しいトーチとして知られている。
さて、このトーチの先端、花びらの部分はどのようにつくられているだろうか?
- 薄板を曲げて花びら1枚を作成し、組み上げる
- 押し出しで一体成形し、不要な部分を切り落とす
- 金属の積層造形(3Dプリンタ)で作成する
上記のように、様々な作り方が考えられる。この聖火トーチをデザインした栗原克己さんは、継ぎ目のない美しい造形を実現することや、それなりの個数を造る必要性から、アルミニウム合金の押し出し一体成形を採用したとしている。
また、形を決める過程においては、何種類も試作をしたという。花びらの大小によって見え方に違いがあることはもちろん、燃焼機構を収める必要性や、炎の出し方・見せ方、軽量化のため薄肉化のチャレンジなど、調整しては造ってみるの繰り返しを経てこの形になったとのことだ。