量産ライン立上げとは

 製品の製造が必要となった際に、生産体制(量産ライン)を構築することを量産ライン立上げと言い、表1に示すように、大きく3つのシチュエーションが想定されます。

 それぞれのシチュエーションに合わせて上手く量産ライン立上げを行うことで、QCDを達成した製品製造が可能となり、売上利益をスピーディ且つ安定的に得ることができるので、企業にとって量産ライン立上げは非常に大切となります。


表1.量産ライン立上げの分類

 量産ラインを立上げるにあたっては、表2に示すような確認項目が多数あります。これらを検討せずにいきなり量産ラインを立上げてしまうと、量産開始後に様々な問題点が発覚し、目標とするQCDを実現できない恐れがあります。
 特に、新技術や新工法を導入する(表1の「A.自社で初の新ラインを立上げる」)場合は、そのリスクが高まります。立上げ時や量産開始後の問題点潰し込みに膨大な時間とコストをかけることがないよう、事前に確認項目を検証しておくことが重要です。


  表2. 量産ライン立上げにおける確認項目と確認方法


ライン立上げ時の確認項目を検証するアプローチ

 検証方法にはそれぞれ一長一短があります。すべての項目を検証するには時間も費用もかかるため、検証方法の優劣を理解し、必要に応じた方法を選択することが重要になります。

01デジタルシミュレーション(デジタル検討)

 量産ラインを立上げる前に、PC上でラインを構築してシミュレーションを行う検証方法です。現実に設備を製作する必要がないため、コストを抑えてライン全体を検証できるメリットがあります。近年はシミュレーション技術が進化し、作業者や物の流れ、設備の干渉など、検証できる項目が増えてきました。
 一方で、実際に製品・部品をつくることができないため、品質面の検証はできません。

02モデルライン製作

 量産ラインを立上げる前に、実際にモデルラインを作って検証する方法です。プロトラインや試作ライン、レファレンスラインとも言われます。量産ラインと同等にライン全体を構築する場合もあれば、検証が必要な工程やその前後を切り出して設備を構築し、検証する場合もあります。
 デジタルシミュレーションとは異なり、設備を動かしてモノをつくる事ができるため、品質面の確認ができることが利点です。一方で、時間や費用がかかることや、一部工程を切り出して検証する場合には、人の動きや物の流れをライン全体で検証できない特徴があります。

03量産ライン

 最終的には、実際の量産ラインで検証を実施します。前述のデジタルシミュレーションやモデルライン製作で事前に検証をしておくことが理想ですが、時間や費用がかかることから、全て検証できるケースは多くありません。
 このため、デジタルシミュレーションやモデルラインで検証できなかった項目を量産ラインで検証するなど、相互に補完しあって量産ラインを構築していくことが重要になります。



タマディックの量産ライン立上げにおけるサービス提供例

  • 量産ラインの
    デジタルシミュレーション
  • 海外量産ラインの
    デジタル検証~設備立上げ
    を一気通貫で支援
  • 既存ラインの改造
    (サブアッシー単位での一括請負)

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