工法開発の成果とは

 工法開発は、新たな製品を実現するためには欠かせないプロセスですが、それだけではありません。既存製品についても、その造り方を変えたり進化させたりすることによって、QCDや工程能力を大きく改善することに繋がります。

 生産量を大きく増やす必要がでてきたとき、現場改善を行っているが品質不良ゼロの達成が困難なとき、顧客や経営層から達成の難しい低コスト化要請があったときなどは、工法からモノづくりを見直すことで、課題を解決できる可能性があります。


事例

工法開発/クリアランスの厳しい挿入組付け

 工法開発の最もわかりやすい事例として、「ネジの加工法」が挙げられる。

 「ねじ」は古代ローマ時代からすでにあった技術で、当初は手でカットしていたという。その後、旋盤が発明されて切削加工で形がつくられるようになり、数百年前に「転造」という技術が開発され現在に至っている。切削加工に対し、転造による工法を用いるようになったことで、大量生産が可能になり、コストを大幅に低減させることに成功。さらに、金属を圧縮することで強度が増すというメリットがある。

 このような加工法が一般的な工法開発として取り上げられるが、物と物を組み付ける際の治具・ハンドに工夫を加え、組付性を向上させる場合も、工法開発ということができるだろう。

ひとつの技術や精度向上に固執せず、柔軟に発想することも大切

 例えば、油圧バルブのようにスプールという精密なシャフトをバルブボディに挿入する場合、シャフトとボディの穴部のクリアランスが十数ミクロンほどで、手組付では手先の感覚で姿勢を矯正しながら上手く挿入するが、それをロボットなどで自動で挿入しようとすると、少しの傾きでこじてしまい、力覚センサーなどセンシング技術を駆使しないと自動化は難しい。

 そこで図の解決事例では、「ボディの穴の入口に、フローティングと振動で挿入を助けるガイドを置き、ガイドに沿ってシャフトを自由落下で挿入させる」という方法で、人間が手感でやさしく探りながら挿入していくことを再現している。

 過去の実績では、直接ロボットで挿入した場合は10%ほど挿入に失敗していたが、この工法によって、失敗をほぼゼロにすることができた。




次のページ

優れた工法開発とは


タマディックの工法開発におけるサービス提供例

  • 新規製品の工法確立
    (アイデア出し~試作・検証)
  • アジャイルな工法開発のための
    評価設備の製作
  • 既設ラインの工法改良や設備改善
  • モデルチェンジにおける
    工法改良や設備改善
  • 設備部品メーカーや組付け企業などの
    協力会社と協働した試作と検証
  • 評価・検証方法の確立
  • 評価データの解析方法の確立

お問い合わせ

お困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。