INDEX
Ⅲ決められた予算で抑える、
コストダウンのための工夫
設備計画では、製品実現やラインコンセプトを実現する設備仕様を、決められた予算の中で応えていくことが重要です。
設備のスペックとコストは、一般的にはトレードオフの関係になることが多いですが、設備計画を行う上ではスペックを維持しながらコストを低減する工夫が求められます。
設備計画におけるコストダウンの切り口を以下に紹介します。
01高性能なものを前提とせず、最適な技術の組み合わせで実現する
高性能なものを前提とせず、最適な技術の組み合わせを検討します。他業界の様々な専用機に低コストで自動化するヒントが存在することもあります。
02半自動やアシストを検討する
自動設備を検討する場合、効果が大きいところから優先的に自動化を検討します。
また、自動化ありきではなく、効果が小さかったり、人の方が良いところは手作業を残したり、その作業をアシストするものを考えていきます。
03現場で使っている標準ユニットや部品を採用する
既に生産現場で利用されている標準ユニットや予備品を流用して使うことは、追加コストを抑えることにつながります。たとえ安い部品であっても、現場での維持コストを考慮し、できるだけ標準品を使うことを考えていきます。
04コストとのトレードオフを意識する
作業性や安全性、耐久性など、あらゆる項目がコストとのトレードオフにあるため、それぞれをどのレベルで実現するかが、設備計画者の腕の見せ所となります。
検討においては、設備の運用フェーズでできることを考えることで、設備のイニシャルコストを下げられる場合があります。
例えば、10年持たせる設備を作る場合と、5年持たせて交換・メンテナンスをする場合とでは、イニシャルコストが大きく異なります。
コスト以外の制約と相談しながら、コストを下げられないか検討していきます。
事例
供給仕様の低コスト化
スタッド溶接を行う工程において、製品が多様化したことから、多品種の溶接が必要となった。スタッドの供給機構について、従来は使用するスタッドが限定的であったためパーツフィーダーを適用していたが、スタッドが増えたことによって、供給仕様を見直す必要が出てきた。
従来のパーツフィーダーをマガジンに代替することによって、シンプルで低コストな供給仕様を構想。さらには設備を止めることなく補給を可能にするからくりを設け、多種のスタッド溶接に対応できるようにした。